小学生編⑤
しんの一件からはグループの中心にいるようになった。
楽しかった。毎日楽しかった。
転校する前とは別人になれた気がした。
この学校には運営委員会っていうのがある
委員会の1番トップ
高校とかの生徒会みたいな感じ。
この運営委員会の委員長と副委員長を選挙で決める。
まぁ大体、6年生は卒業しちゃうから5年生がやるんだけど。
俺はクラスの後押しを受けて立候補する事にした。先生も賛成してくれた。
4年生が学校のトップに立つなんてあり得ないけど、うちのクラスからは俺ともう1人「かず」が立候補した。
そっからは、みんなでタスキを作って、中休み、昼休みには学校中歩き回って、「投票お願いしまーす!」って回りまくった。
学校の行事に参加してる、しかも、中心で。
それが楽しくてしょうがなかった。
選挙の公約も考えた。
そんな大した内容じゃなかったはずだから、あんまり覚えてない。笑
多分、みんなで仲良くみたいな感じだったと思う。
それを全校生徒の前で発表する。
すげぇ緊張した。心臓が壊れるんじゃないかぐらいドックンドックンしてた。
それからクラスに戻って、投票が始まる。
発表は後日。
なんと委員長に当選した。
副委員長は5年生の女の子。
かずは残念ながら落選してた。
ホントはかずと2人で委員長、副委員長でやれたら1番面白かったのに。
でもかずは「おめでとう!」って笑顔で言ってくれた。
これからが楽しみでしょうがなかった。
順風満帆。このまま中学生に上がってもみんな一緒だし、なんてたって、俺はリーダーで運営委員長。完璧だ。
その日は走って家に帰った。
すぐ母親に報告したかった。
玄関開けて「ただいまー!!」って
「聞いて!!運営委員長になったよ!!」
そしたら母親はびっくりした顔で
「すごいじゃない!おめでとう!でも、」
「私もお話があるんだ」って言われた。
あ、この顔マジな話の顔だ
そう思った。